Norway遠征記 Oslo
Inferno Festival 2006 隣のノルウェイジャン・ブラックメタラー 次はいよいよCarpathian Forestです。すでに客が待ってる時からフロアに固まってきています。みなさんの気分もノリノリな様子。
そうです、遂にふてき的ブラックメタル界のアイドル・ナッちゃんに会えるっつーか見れるのですよ…!鉄柵に齧り付きながら、ふてきのブラックメタル乙女的ハート(何ですかそれは)はドキドキで破裂しそうなモンでした。
ドキドキと緊張でイッパイになりつつ閉じられたカーテンが開くのをひたすら待ちます。そうそう、赤いカーテンにはInferno Festival 2006 CARPATHIAN FORESTとデッカく描いてありました。
そんなアタシに、隣に居た背高ノッポのオニーサンが突然話し掛けてきました。
『Carpathian Forestを観る為に来たのか?』
『…う?うん…アタシ、Natte Frostを愛してるからさ』
『What?』
『Carpathian ForestのボーカルのNatte Frostだよ』
『あー、ナットフロスッの事か!』
(おー、そーやって発音するのか…まるで納豆みたいだナ)
オニーサンはShagrathとFrostを足して2で割ったような外見のヒトでした。黒髪の長髪にアゴヒゲで、手にはタプンタプンにビールの注がれたプラスチックのコップを持ってて…見るからに『これノルウェイジャン・ブラックメタラー』って雰囲気。目がトロンとしているのは酒のせいだな。アタシはふとイタリアで会った時の目がトロンとしてて上機嫌な缶ビール片手のHellhammerを思い出しました。
とつぜん彼はアタシに向ってスレイヤーファンのよーに両腕を振りあげてみせ、
『Blasphemy!!!』
なんて叫んできましたので、アタシは(うわぁーモロにブラッカーだなオイ!)などと…実に新鮮な感慨に浸ってしまいました。
で…どー反応すればよいモノやら…一瞬アホのようにポカンとしてしまいましたとさ。
くつろいでる2階席のメタラー。 『どこから来たのか?』
『(何か皆に聞かれるぞ)日本だよ。アナタは?』
『Oslo. Outside Oslo』
『(またか!)あなたはイイ所に住んでるよ。日本からココに来るのは時間も金もかかる』
『その通りだ。ここではいつも様々なバンドのライヴを観る事ができる』
うーっ。ちっくしょー、胸はって自慢されちまった。実際、羨ましくてしょーがないんだけども。でも日本からノルウェーに来る事がドンナニ大変な事か、ニーサンは良く分かってくれてるみたいだった。
で、Dimmu Borgirは知っているか?Immortalは知っているか?Covnantは知っているか?と質問攻めにされてしまいました。おっしゃるバンド全てノルウェー原産ブラックメタルby有名所です。アタシが知らないはずがありません。
『知ってるよ。日本のブラックメタルファンの間では有名だよ。Dimmu Borgirは来日してライヴ見たよ』
ニーサンは酔いが覚めたようにパアアッと顔を喜色に輝かし(そんなに嬉しい事なのか?)上機嫌な様子でそのデッカイ手をニュっとアタシに伸ばすのでした。
そんで、アタシの頭を乱暴気味にナデナデ。
反射的にアタシは鉄柵に齧り付いてキャアアアアと思いっきり嫌がっちまった…仕方ないんです、Gorgorothにーさん1のせいでノルウェー男に偏狭な偏見持ってるんですから。
つーかアタシをコドモ扱いするなと言いたい所ですが、ヨッパライだからな…。
気を取り直して、いちおうCradle of Filthも来日公演したよと付け加えるとニーサンはあからさまに顔を顰めて言いました。
『俺はブリティッシュ・ブラックメタルが大嫌いだ』
…このセリフでアタシはウッスラ判ったような気がしました。このニーサンは国産である所のノルウェイジャンブラックメタルに多大なる誇りを持っておいでなのだと。
一番好きなバンドは何か?と尋ねられたので1349とFuneral Mistだと返答しました。
ですが、アタシの発音がNot goodなので1349が理解してもらえません…なので、デジカメのメモリに記録してある1349とアタシの写っている写真を彼に見せて、やっと判ってもらえたよ。
で、どーやら彼は熱狂的なFrostのファンらしいです。過去にFrostと会って話をした事があるらしく、彼は素晴らしい人間だと賛美しまくり。アタシがドラム職人だったらHellhammerも好きだと言ったところこんな反応が返ってきました。
『おぉ(驚)それはもちろん、彼はサイコーのドラマーだ…が、Frostが一番だ』
もう病的にFrostに心酔し切ってますよ。この情熱。オイラ負けそう。そーいえばDimmu Borgirの話題もよく口にしていたっけ…つーことはShagrathのファンでもあるのでしょう。
そっか!だから自然にかくの如くShagrathとFrostを足して2で割ったような外見になってしまうのね。
ちなみにFuneral Mistについては彼、全く知らないみたい…それって何だかスゲェ悔しい。なので、自分のTシャツにデカデカ描いてあるFuneral Mistのロゴを見せつつ、ブルータルファストブラックで、スウェーデン原産のバンドで(説明するの疲れる)Mardukの新しいボーカルさんのオリジナルバンドだよ、と必死に説明。
にーさんはアタシの革の鎧を持ち広げつつロゴにじっくり目をこらして、一生懸命考え込んでいましたが…
『スウェデッシュ…?知らない…。だーくふねら?まうづく?』
どーもノルウェーのブラックメタル以外に関しては興味の範疇外みたい。まぁ、ノルウェー民族なわけだし、それはそれである意味羨ましい事なんじゃねーかナなんて思えるわけです、アタシの感覚では。そこでノルウェー産のバンドに絞って話をしてみようと思いました。
『アタシはシンフォニックやメロディックブラックよりGorgorothやTsjuderとかUgehalといったノイジーでやかましいブラックメタルが好きなのヨ』
『いやぁー!ごるごろーす!ちゅーだー!あーじはる!ふぁっきんぐれーとぶらっくめたるばんど!』
思った通り、にーさんには一発で通じたよ。でアタシの口からGorgorothやTsjuderとかUgehalの名前が出てきたコトがめちゃくちゃ驚き感慨深げだったみたいだよ。
もののついでにベルゲンのHole in the Skyにも行ってみたいんだよねと口を滑らすとニーサンはInferno Festivalも素晴らしいイベントだが、俺はHole in the Skyの方が好きだなどとおっしゃってましたヨ…んー?なんか違うのだろうか?
その後、ニーサンはアタシの背後でキャアキャア固まっていた女性客に
『キミタチはどこから来たのか?』
と尋ねていましたが、
『 英 国 からよ!』
という彼女達のカワユイ返答に
『…ブリティッ…シュ…???』
と実にフクザツそうに呻いてました。ニーサン、なんでそんなにブリティッシュ眷族を嫌がるんでしょうか?
つーか、長時間の英語の応酬でアタシはすっかり疲れてしまいました。
ニーサンがブリティッシュ眷族と流暢な英語でやりとりを始めたので、アタシは一息つけると思ったのですが…。
今度は鉄柵左ヨコ、待ち受け列中1人トバシた向こう側の一見おじさんっぽいオニーサン2人組のうちの1人が鉄柵伝いに一枚のCDをアタシに差し出してきました。
CD 『…ナニ?』
『Free!』
どうやらこのCDをタダでアタシにアゲルって言ってるみたい。
この一見おじさんっぽいオニーサン2人組はライヴ中からアホなアタシのノリを時折気にしていた様子で(そんなにアタシ壊れていたのだろうか)、アタシとヨッパライにーさんとの会話にもちょくちょく耳をダンボにしていた感じでした。
アタシはこのCDについて説明を求めようかと思いましたが、丁度その時に目の前の赤い巨大なカーテンがざーっと左右に開いた…!!!
アタシは懐にCDをしまい込むと全てを忘却の彼方にうっちゃって、ステージ上の彼等を大歓迎するのでした…!!!
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