ヲ
〜キモチの悪いオッサン〜
会社帰りの車内では、
お疲れの企業戦士達がツカレタ顔して大混雑してる。
あたしは運良く座れましたが、隣のオッサンの様子がヘンだ。どーも、
あたしの脇腹あたりに腕をビダッと押し付け
なんつーか、な、なななな…
撫でているんですよ(蒼白)。
しかもゴリゴリと!
(いや撫でるって言うのかその擬音/笑)
肘で。
コレってあたしの腕の下にかくれてヤッテテ、
腹立たしい事に周囲の客からは見えないんですよー。
…あの、なんかそんなに一生懸命ゴリゴリされっとさぁ、
イテェーんですけど。
キモチ悪ィんですけど。
ヤメテくんねぇーか。
しかもどーもあたしの腰骨あたりに執着しているらしく(ギャース)…
それでも満員電車の車内では身動きも取れず、逃げる事も叶いません。
しばらくアタシは女らしく(?)自分の腕で突っぱねてガンバッテいましたが
もー我慢の限界!
その汚らしいウデを摘まみ上げてヒネリ上げたくなってきて、
クルリとそっちに向いて腕を掴もうとして…躊躇し、
あたしは正面から睨み付けてやったんですが(ヤメロ)。
オッサン薄目をあけてコッチの様子伺ってるカンジ。
メガネをかけた太り気味のオッサンで、耳にイヤホン突っ込んで音楽聴いてる。
音漏れしてるほど大きな音だ。
…ワザとかよこのヤロー!
そうなのね。
やっぱりあなたはワザとこんなキモチの悪い事やってるんですね。
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不敵はこう思いました。
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上等だ、コノクソジジイ!
手前、コッチがありきたりな脅えたツラ、
見せるとでも思ってンのかい!?
生憎だがあたしゃあね、
恐怖より怒りが先に来る女なんだよ!
(困った事にな)
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.…下品でスイマセン。
ちょうど電車は大きな駅に到着し、客が大勢で出入りをしている。
そして、歳の頃80かと思われるお祖母様が私の前にきたのだった。
当然、不敵は席を譲った。
『…はっ、シマッタこの隣にはヘンなオッサンが!』
このお祖母様にオッサンがヘンな事しやしねぇかと思いましたが
思いっきり杞憂でした(爆)。
で、あのツラ見るのが不快なので次の駅で隣の車両に移動しました。
数十分経過。
不敵はS駅で乗り換えなので降りました。
乗り換え電車内を歩いていると…
すぐそこ、ホームを見覚えのある人が歩いてゆく。
あのキモチの悪いオッサンだった。
不敵は一気に超攻撃的な表情になった(爆笑)。
キモチの悪いオッサンは、計ったように不敵を振り返り、
そして確かに薄く笑った!
瞬間、不敵は悪鬼のやうな顔で睨み返していたのでした。
その瞬間は怒りで頭の中いっぱいだったけど後になってみるとコワー!
すっげコワー!!
でもすげぇムカつくー!
なにはさておき。とにかくあたしが
女だからあんなナメた真似されるんだよな???(そうスか?)
だったら、
あたしは、女になんか生まれてきたくなかった!!!
…と、帰宅してダイコンをまな板の上で叩っ斬る不敵でしたとさ。
おしまい。
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