June
ヲ 〜虫と財布と火事〜

2003.6.10

会社が終わってからの嫌ぁ〜な話。

とりあえず、会社からの帰りがけに

今日は某ライヴのチケットを買おうと思っていた不敵。

電車に乗ると、会社からパクった書籍を読み始めた。

『バルザックとこだわりフランス』という本で、ぶっちゃけて言うと

バルザックを絡めた旅行ガイドブックみたいなもんだ。

読みはじめるとコレが結構面白くて、

気がつくと目的のC駅に電車は止まっていた。

ここで降りなければチケットぴあには行けぬ。

*おぉっと!*

不敵は慌てて飛び降りたが、すぐに網棚の上に置き忘れた

ミニバックの存在に気が付いたのだった。

中には財布が!

定期が!

粉末コーンスープが!

ギャース!

ムンク状態の不敵を取り残し、非常にも電車は去ってゆくのだった。

この駅は3階建てになっている。

ムンクなまま不敵は階段をドカドカかけ降り、駅長室に転がり込んだ。

しかし会社帰りのラッシュ時。

ギュウギュウにつまった人間車内での探索は思うように行かず、

幸いにもミニバックを保護したのは成田駅だった。

「御迷惑おかけしました、ほんとーに…」

「それはいいんだけど君、**に住んでるのにどーして

ここの駅で降りたりしたの?」

「いえ、その…そこのチケットぴあに用がありまして」

そこまで言葉を口にし、不敵は壁の時計を見て凍り付いた。

7時10分…ぴあは既に閉店していた。

あたし、

なんの為にココでおりたのよぉおおお

とにかくミニバックを受取りに、

成田駅まで長い電車の旅をしなければならなかった。

電車は非常にすいていた。

運良く席に座り、再び『バルザックとこだわりフランス』を読み始めた。

…うん?

なにやら視界の隅にカサカサ動く物がいる。

それは私の足の上をせわしなく動き回る

親指程のサイズのブキミな蜘蛛だった。

ギャース!

不敵は己のふくらはぎ部分を袖に向かって移動する気色の悪い感覚に

思いっきりナミダ目のまま麻痺ってしまった。

だ、だれぞ、銛を!

いや銃を!

いや剣を〜〜〜!

あたしより先に気が付いていたらしい前に座っているお兄さんが

わざわざ素手で振払ってくれたから良かった物の…死ぬかと思った。

無事バックを受け取った不敵は帰路についたわけだが、

家のマンションの前が赤々と光ってて、なんだか騒がしい。

なにやら道路も水で濡れてるぞ。

どうやらマンション前の一軒屋集合地区の一角で火事があったらしい。

沢山の消防車が真っ赤なランプをクルクル回し、

消防隊員が巨大なホースを数本、どこまでもどこまでも伸ばしていた。

「め組の大吾思い出すなぁ」

細い道だったのでホースを踏まないようにしながら道を進む。

道路をでっかい消防車が塞いでいる感じなのだ。

御近所の奥様方のヤジウマもかなり邪魔だった。

「確か大吾と天粕が先を争ってこのホースを消火栓につなげるんだよな〜」

1巻を思い出し、感慨深げにホースのクチを足元に、眺めていたラ

ばひゃっ!

なにーッ!

突然溢れ出てきた放水に足元が水浸しになりました(号泣)。

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