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〜可哀想な鈴木君(仮名)〜
最近中国病とテロと戦争の余波ですっかり空港業界が落ち込み、
スチュワーデスの試験がナカナカ受けられないS氏。
要するに彼女は暇なのだ。
今日は訳あってそんな彼女と電車でぐうたら話を展開するハメになった。
人目をはばからず暴露した、そのぐうたら話。
ここで彼女のぐうたら話を御紹介する事にしよう。
『アタシ仕事でちょとだけ顔出す取引先があってさ、そこに課長が
すっごいイイ男だ!って誉める営業がいるのね』
『ふぅ〜ん、それでSちゃんもイイ男だと思うんだ?』
『ううん、ホントちょっとしか顔出さないから遠目で見ただけなの。
その時はすごくカッコよく見えたのね。
でも今にして思えば、それは課長がすっごいイイ男だ!
って誉めまくるから、先入観だったのかも』
『はぁ?なんだそれ?』
『とにかくあたしはね、間近ですっごくその人の顔見たくって!
ホンットっに!すっごく!
すっごく見たかったの!』
『すっごく見たいってお前…(絶句)』
『でね、その人、鈴木君と同じ年齢で鈴木君と面識があったから
一度飲みにいこうって誘ってもらうように頼んだのッ』
鈴木君とは何者か。
読者諸氏には4/4の日記に登場した一文を見直して頂きたい。
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会社のデキの悪い営業男(ちなみに年下のイイ男なんだそうだ)の話
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この青年の事である。
一見、とてもキチンとした身なりの好青年だが
いざ仕事を任せるとミス爆撃という、
彼女のコマッタ仕事仲間なのである。
『そんで、うまくいったワケ?』
『それがいつまでたっても頼んでくれないからさーっ』
『…(嫌なんじゃないのか)』
『たまたま向こうから電話かかってきた時に話序でに
「鈴木君が今度一緒にのみに行こうって言うんですけど、
一対一は嫌なので御一緒しませんか」
ってウソついちゃった〜〜〜★
鈴木君、隣の席で真っ青になってたよ〜〜〜!』
不敵は思わず、目を剥いた。
『毎日会社で怒られ大変な鈴木君を
己の欲望のままにダシに使ったと!?
…なんと哀れな…』
『で、鈴木君にもモチロン付き合ってもらって、
日本橋で会ってきたワケ。実際あってみると(以下自粛)』
『…その男の事はどうでもいいが…
鈴木君、可哀想じゃないか?』
その日の夕方。
鈴木君からS氏の携帯電話にメールが届いた。
『来週からボクいませんので』
どうやら仕事のミスが多過ぎて、
とうとう部署移動になってしまったとの事。
…彼の新天地での活躍を、心から祈りたい。
それにしても、彼女がヒマだと回りの人間、ロクな事がないぞ。
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