February
ヲ 〜『らしくない』一日〜

2003.2.9

『キャセイパシフィックの試験落ちた!約束の温泉付き合ってよ』

こんな絶叫メールが我が携帯電話に届いたのは2週間程前だった。

その頃の私は、金無いけど適当に裕福だった(意味不明)。

『あい。約束は守るよ。日程や行き先は全部そっちに任せるから決めて』

その後、彼女からメールが届いた。

どうやら行き先を決めたらしい。内容はこうだ。

いちよ、熱海にしよ〜かな〜と。 遠くにいくよりゆっくりできるかな〜と。 ニューアカオ。

ここまでは良い。問題はその後だ。

水着持参ね。

大問題である。

あたしはカナヅチなんだよ!

泳げないんだよ!

体重のせいか沈むんだよッ!

嗚呼、この季節に水着を買うハメになろうとは。

というわけで、日本橋の高島屋にお出かけ。

何故高島屋なのかと言うとソコは友人の勤務先の系列会社で、

安く買物ができるから、という深〜い(?)訳があるからなのだ。

『きゃはははは〜〜!』

あたしは着せ替え人形か!

というわけで、小生は大変ハズカシー思いをしたのでした。

奴の楽しむ笑い声があたしには悪魔の笑いに聞こえる。

くそう、いつか仕返ししてやる!

その後、あたしはきらしてた口紅を買おうと思った。

『そろそろ春だしピンク系統が欲しいんだよね』

『いいよ、あたしの行きつけのお店紹介するね』

彼女の専門の店は高島屋の1階のフロアにある、

クリニークという海外のブランドだった。

椅子に座ると友人の担当をしているという

すっごい美人(半端じゃねぇ)のお姉様が現れた。

こんな美人の前に座る私はさながら野犬かもしれなかった(笑)。

『このコは私の友人なの。ピンク系の口紅選んでやってくれない?』

『はいはい、これだけありますがメイクをされない方には

コレとコレとコレがお勧めです。ささ、お顔を出して下さい』

『ナニナニ?塗るの?アナタが塗るの?』

にょきっと我が顔に近付く美しい手に不敵は無意識の内に後退する。

『なにやってんの!顔つきだすんだよ、こうやって!』

さながら漫才である。

しかし。

己の間合いに入って正面に差し出される手に対し、

そう簡単に警戒が解けようものか。

顔を散々いじくり回された数十分間で、

すっかり不敵は肩凝りになってしまった。

なんだか、『らしくない』一日でした。

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