ヲ
〜野郎共のヌード劇団〜
カナダからの友人が
『見に行きたい演劇があるんだけど、付き合ってちょーだい』
と私を目白まで連れて行った。
池袋のフクロウ前で待ち合わせ、昼飯を喰ってから山手線に乗車。
2つ隣の駅だったかな?
目白っていえば学習院大学...森に囲まれたような感じだった。
目白の街並は上品だなぁと思いつつ、地図を片手にしばし歩く事15分。
目印の薬局を左折するとすぐそこは閑静な住宅街だが、
その中にまぎれて目指す『アイピット目白』があった。
ビジュアル系っぽい黒いお姉さんが受付をしている。
地下1階が会場だった。
小さなステ−ジに80程の椅子。
ま、こんなもんだろ。
あたしは数回こういった劇団のステージを体験している。
タイトルは
すっぽんぽん劇場外伝
歌舞伎町フルモンティ
嗚呼、このタイトルで気が付くべきであった。
話をぶっちゃけて解説。
舞台は歌舞伎町の究極おちぶれストリップ劇場。
ダメダメなロリコン社長率いる劇場員達+関わる人々
…の複雑な運命を時に悲しく、面白おかしく見せるって感じだ。
劇場の存亡をあれこれ考えた挙げ句、
彼等が思い付いた起死回生の策とは…!
野郎共のストリップ劇場
だった!
この見せ場はまさにソレでしょう。
まず普通に女の子連中が
「あいつはとししーッタの男のコッ♪」
と歌って踊って場を明るく盛り上げる。
しかし彼女達が下がり、闇になったステージから現れたのは…
駅員風のコスチュームを身に付けた野郎共だった。
総勢20人程だろうか。
この劇に出演している男共、全てが勢ぞろいしていた。
切なげな音楽が始まった…おもむろに彼等は踊り始める。
不敵は自分の中で増大して行く嫌な予感でかなり鬱になっていた。
だって、踊っている彼等の表情は、まるで
特攻隊に出撃するかのような鬼気迫るものだったからである。
彼等は、要所要所で鉄道員服をひっぺがしていく。
だんだん不敵は気分が悪くなってきた。
「あずさ2ごーうでぇ〜♪」
あぁ、まさか、こんなことが。
やつら、一斉に最後に残った赤フンドシまで放り投げやがった!
『ギャー---------ッ!!!!』
瞬間、こう私は小さく絶叫した。
鉄道員帽子で股間を隠し、狂ったように踊り狂うその様よ。
不敵はムンクになって発狂していた。
(なんでこんなところで野郎共のヌードショウみるハメになるんだ)
(あぁ嫌だすっげ嫌だキモチワルイ〜〜〜〜!)
(ゲロゲロすげぇ臭そう)←?
友人も相当混乱していたらしい。
その後我々はカラオケに行き、何かに憑かれたように歌い踊った。
…劇の話をすることはなかった…
もし不純がコレ見たらメチャ喜んで食い付くようにみていただらうに…
追 記
万が一この劇の製作に関わった方がいましたら…
ごめんなさい、失礼な事書いて…と頭を下げさせて頂きます。
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