May
ヲ 〜会議中にカーカス〜

2002.5.24

会社の取引先が主催する会議に出席した。

『今年新創刊の糖尿病系雑誌があるのだが』

今年新しく課長に就任したPさんは茶髪が目立つ…若いけど、

どーやら広告部の収入を増やす社命を帯びた企業戦士らしい。

『どのようなターゲットで、どのようなタイトルであれば

顧客を確保し、広告も収入が見込めるか』

と我々に問いを投げ掛けて来た。私はかけだしの下っ端なので沈黙。

もちろん、ベテランのおじさま方が的確にお答えされている。

(…なるほど、さすが様々な現場をかいくぐってきた戦士達だ…)

私は感心しながら耳を傾ける。的をつくおじさま方の意見にPさんも

しばし考え込む。そして我々も考え込んだ。

…沈黙が会議室の空気を支配した。

ダー↑ダー ダー↑ダー↑ダー↑ダーダー↑ダー

ダダーダ ダダーダ ダダーダ ダダーダ(以下略)

突如沈黙の部屋を蹂躙する携帯電話の着信音。

不敵は硬直した。

それは紛れも無く今は亡き北欧のメロディックデスメタル

の先駆者、カーカスの『ハートワーク』だった。

あたしのぢゃないかぁあああっ!!!

電源きるの忘れてた!

だってだって今日はメタクソ忙しくて会社にも戻れなくて(以下省略)

不敵は素早く鞄をまさぐり電源を切ったが確実にワンフレーズを

全員に聴かれてしまっていた。…滝汗…

同行した営業のHくんは

『今の会社からだったんですよね。俺もよくあるんですよ〜。

困りますよね〜会議中に電話するなよって感じですよ』

とかんらかんら笑っていたが不敵の心中は

○ヘヴィメタルの一端を会議の出席の方々に聴かせてしまった

○チルドレンオブボトムにしてなくてよかった

この2行がぐるぐる回り彼の言葉をしっかり無視しているのだった。

その後懇談会を兼ねて食事会が執り行われた。

閑静な文京区の住宅街の一角。

築50年は経っているであろう、所謂『昔の金持ちの住まい』を

そのままフランス料理店にしてしまった感じの店だった。

あれじゃどこに店があるんだか普通のヒトはわからんだろう。

木材が目立つ和式なのだが調度品はヨーロッパしててすっげ豪勢だ。

『…こんな所と分かっていたらもっとマシな格好してきたのに』

服装にズボラな不敵が思わず呟く程のシロモノだった。

いかにも金持ちのカップル語らいの場やもしくは

ハイソなおじさまの憩いの場なのだが

(現に医○書院の社長御用達のお店らしい)

次々にワインが出されたせいもあり、我々は完全に酔っぱらっていた。

特に主催者の補佐役の女性(ボクより1つ年上)は凄かった。

『あぁ、これでここの店は出入り禁止確実だ』

彼女の上司の目は怒りで釣り上がっていた。

不敵のせいでは断じてない事を強調しておく。

ホタルイカの赤ワイン蒸し、うずら卵のテリーヌなぞ色々だされた。

一番美味しかったのはデザートの苺とイチジクのゼリーだな!

しかし…やっぱり。

フランス料理で上野の精養軒にかなうモンはないね!

ちなみに、そこでK社のNさんに聞かれてしまいました。

『不敵さん、会議中になった携帯電話の着信音、何て音楽ですか?』

『…北欧メロディックデスメタルバンド、カーカスのハートワークという名曲です』

無表情のまま(爆笑)説明したが、彼女は目をテンにしていた。当然だが。

あぁ、K社のベテラン営業おじさまの着信音、『ヤサクは木を切る』の方が

よっぽど普通のよーな気がしてくるぅうううう〜〜〜

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