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〜自分を殺してくれ思った瞬間〜
朝、自転車に乗っていつもの道を駅に向かっていた時の話。
その途中でゴミ捨て途中のおばあさんと接触事故を起こしてしまった。
一瞬のよそ見のスキに、マトモにお互い正面からぶつかって、
(おばあさんも全く気が付いてなかったとか)
とにかく相手のおばあさんはマトモにひっくり返ってしまい、
後頭部を切ってしまったらしい、血が…あ!
凄い出血してる!!
このおばあさん、近くに住む一人暮らしのかなり体が大きい方。
呼べど意識は朦朧としていて目は空ろでぱちぱちとするだけ。
脳震盪を起こしている、これは動かさない方がいい。
いつの間にかゴミ捨てに集まって来た団地のおばさん達がいて、
そんなやり取りをした後、携帯電話で救急車を呼んだ。
雨だったので近くのおばさんに毛布を持って来てもらう。
自分の上着も脱いで重ねる。その頃には意識が戻って来ていて、
家族の電話番号や家の事等話す事が出来た。
すぐに家族に電話をかける。
その間、3分強で救急車が到着。
てきぱき処置をしておばあさんを車に収容すると行き先を決めて、
『アナタはここで警察の到着を待って、現場検証に立ち会って』
と私に告げて出発してしまった。
すると今度は家族の方が、近くに住んでいるらしく車で到着。
事情を説明して家の戸締まりや火の元の確認をお願いして
収容先の病院に行ってもらった。
家族の方がいなくなると、今度は会社に電話。
事情を説明して追って経過を報告しますと電話を切る。
しとしと冷たい雨の降りしきる中、待てど暮らせど警察が来ない。
20分程してラッタッタに乗った警察官×1が到着。
…今考えるとすっごい簡潔な現場検証?をして病院に行ってしまった…
いいのか?こんなんで?と、少々気が抜けた一瞬だった。
とにかく私も病院へ向かったわけです。
検査をしてもらって、重大な問題はないものの、
とりあえず大事をとって今日は入院という事になった。
しかしあの出血と意識の朦朧さを見た時は祖父の死の間際を思い出してね。
だから、あぁ死んでしまう、と一瞬感じてしまった。だからその時、
殺すならあたしを殺してくれ!
って思ったよ。しかし誰に殺されるというんだ?
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