Italy short-term stay notes * Part-2
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長靴をなぞって 搭乗時間近くになると大量のガイジンが集結してきます。オイラのようなアジア黄色人種なんか皆無です。ふ〜んだ、慣れたもん。 そういえば、ココで待っている間に空港スタッフの方が日本人のパスポートと飛行機のチケットを私に見せて、こう言いました。 『これはあなたのですか?』 名前を見ると、確かに日本人女性のモノです。けど、オイラのじゃない。たぶん、荷物検査の時にカゴから取り出し忘れたのだろうが、誰だよこんな最重要アイテムを忘れるお間抜けさんわ!?と今でも実は心配だったりします。 まぁとにかく定刻を過ぎたんだけども、無事に乗り継ぎ便でフランスを飛び立ったわけです。出発する時に機長のおじさんがぺらぺらしゃべってるんだけど。 『おくれてごめんね〜?今朝はもう急がしくってさ〜。まぁ、まったりいこうぜ、まったり』 こんな意味だったと思うんだ…いやぁ日本では考えられないアバウトな答弁だよね。欧州を旅するには、こーいったスチャラカ(byゆうき○さみ)精神に理解を持たないと、簡単にキレますね。しかもイタリアはもっと凄いんだからよ! 飛行機は雲以外何も見えない世界を物凄いスピードでぐんぐん上昇、雲を抜けるとスカっとした快晴の天界がどこまでもどこまでも清々しい程に広がっているのでした。 モニタがない小さな飛行機なのでどこらへんを飛行しているのかさっぱり判りません。しかし、一時間弱ほどでスイスはアルプス山脈らしき光景が下界に見えてくるのでした。
今回もエメラルド色の湖水を拝見出来るかと期待して終始窓の外を見ていましたが、今回は見えなかったですねぇ…。 飛ぶ場所がミラノ行きと違うのか、雲に隠れて見えなかったのか。いずれにしても残念です。
ココを超えるともぅ直ぐにミラノのハズなのですが、やっぱりナニも確認出来ませんでした…あうう、ジェノバの港町は見えたんですけど。ヴィットリオは元気にメタルしてるのかなぁ、久しぶりに会いたいなぁ、などと思いつつ。 どんどん南下していきます。右手に地中海です…っつーかリグーリア海ティレニア海というのだそうですが。学校で習ってナイっつーか知らないもん、このさい有名な地中海でイイ事にしよーぜ。
海に浮かぶ、フランス領コルシカ島らしき姿も見えたんですけど。そう、ナポレオンの亡くなった有名な所だよね。たまたまパチリと撮ってたみたいなんだけど、その写真がヘヴォすぎて載せられないわ。これ、モヤって無かったらサイコーなんだろうなぁ。あ〜モゥ、前回はすっげ天気良かったのになぁ。 ふてきは海を見ながらつくづく思いました。 (このエレガントな海の中に、おいしい海の幸がたんまりつまっているのね…?ビバ!パスタの材料!早く食いてぇ!) しょせん不敵はタダの食いしん坊でしかなかったのであります。
トスカーナ地方らしき場所は、大味な畑が広がる素敵な農村地帯であります。 (きゃーっ!こののどかな畑地帯に、セモリナだのトマトだの乳製品だのウマ過ぎる山の幸がパスタの材料としてたっぷりつまっているのね!素敵!ステキよ!あぁ…ライヴも楽しみだけど早く食いてェ!) イタリア半島を上から見て食欲を増進させていたのはアタシだけかと思われます。いいんです、所詮日本でしがない食生活を送る一人暮らしの一般平民なのですから。 フェウミチーノ航空 通称レオナルド・ダ・ヴィンチ空港と言うのだそうです。ここまでざっと2時間ちょっとかかりましたよ。お陰さまで天気は快晴、暑いぐらいのもんです。この空港はパリのそれとは違い、どことなくおおざっぱなイメージでした…っつーか、なんだかキタネェんじゃねぇのという予感が…。 ヒコーキを降りて、地図を確認しつつ出口を探しましたが、ココではパスポートの確認ナシでそのマンマ外に出れちゃいました。そう、EUが一つの国なのですから。フランスで審査したからもうイイんですね。けど…なんか、ローマのハンコが欲しかったアタシはちょっとガックリするのでした。 ちなみに警備員のお兄さんにはいい加減な事を教えられたり、からかわれたりマッタクもって腹立たしい事この上ないです。しかし、イタリアというスチャラカ国民性の世界でもって簡単にキレるのは、自分が損するだけなのはヒャクも承知なので我慢しておきます。日本の常識は世界の非常識なのであります。 とっとと標示通りにフェウミチーノ空港駅に歩いて行っちゃいましょう。
空港で買物もせずに駅に向います。駅に通じるエスカレーターは、なんかやっぱり掃除が行き届いていない汚らしさです。でもこれがイタリアクオリティですから。
駅から出ている普通電車に乗れば20分ほどでホテルのもより駅である『オスティエンセ駅』につくはずです。警備員のおじさんに聞くと、3番のレーンから出るのでタバコ屋さん(思いっきり日本語だったなぁ)でチケットを買いなさいと言われました。 ここで気を付けなければならない事を2点書き留めておきます。 (1)タバコ屋のおじさんはデフォルトでテルミニ駅までの切符を売るもんだと思い込んでいる様子なので必ず大声で目的地の駅を告げましょう。 (2)切符をゲットしたら必ずホーム隅っこにちんまり設置されているハコに差し込んで穴を開けましょう。オイラはコレを失念し25ユーロもの罰金とられました。 そう、この(2)の罰金こそが今回の旅行での最大の失敗でありました。 後日談ですが、カリブ海で仕事をしていた友人の話によると彼女の知合いのおじさんがやはり同じ所で同じ失敗をやらかしたそうです。が、この夫婦は『こんなちんまりとした標示じゃわかるものもわからん!これは詐欺と同じだ!』と激怒、駅員と大喧嘩を展開し、激しい応酬の上オレンジジュースを浴びせられたんだそうな。その後、おじさんはオレンジジュースをワザと拭きもしないで街を闊歩して回ったんだって…その心は『私達はイタリア国鉄でこんなヒデェ目に遭わされました』っていう自己主張だったとか。やっぱ世界を渡り歩く旅行のベテランは凄いなぁ。自己主張の鬼だよな。俺には出来ないよ。
電車の乗り方ですが、ツアコン友人によれば座席が空いていれば座ってしまった方が安全、との事でした。読者諸氏にも参考にしていただければ幸いであります。 以下、口が悪いのはアタシの性分なので許しておくんなさいまし。車窓から眺める事のできるローマ郊外。そのあたりに住む人々のマンションなどを観るに付け、およそエレガントとは思えぬ貧民さ加減です。それともボロイのを永年ほっとくのがその国民性なのか…アタシには判りません。誠に無礼ながら、スラムと呼ぶもおかしくない世界でした。 目的地のオスティエンセ駅まで車中の音声案内はわけのわからないイタリア言葉です。日本の電車みたいにそこらへんに分りやすく駅の羅列案内など貼ってないので、耳をすまして聞き入ります。そういえば途中、アタマの悪そうなイタリア男がワザとらしく前の座席に座って来ました。不敵は即座にツアコンの友人のこんな台詞を思い出しました。 『イタリアのどこでも、近付いてくる人間は老若男女問わず全てドロボウと思え。特に電車内で、赤ん坊を抱いてたり新聞を広げてる人間が寄ってきたら即座に逃げ出せ』 そのアタマの悪そうなイタリア男は大仰に新聞紙を広げていました。そのクセ、アタシの事を一生懸命観察している様子です。ですので、とっととそこから逃げ出す事にしました。ちなみにRさんが睨みをきかせていたそうです。 なんとかホテルに到着 無事オスティエンセ駅に下車。イタリアの駅ホームは高さが無いに等しい、これなら落っこちて上がれずにジタバタしている所へやってきた電車に轢き殺されるなんて事もあるまい。 駅にて一緒に下車した煙草パカスカおばさんが『この街はビッグポケットよ』とアタシにおっしゃいました。このビッグポケットが何を意味するのか未だに判らん。ビッグマウスなら嘘つきって意味だってのは判るんだけどな。 一旦地下に潜って外に出る。この辺の街はローマ中心から見事に外れているだけあって庶民っぽい汚さの街並です。駅の出口から歩くこと約10分。さきほど乗ってきた電車の線路高架下をくぐって大通りをほんの少し裏道に入った場所。到着したのは『ピラミッドABC』です。
カウンターのお姉さんはアタシが出したク〜ポン券を見ると、まだチェックイン時間にもなってないのにも関わらず笑顔でルームキーを渡してくれた。え〜と、207号室ですか? ホテルの外観はあんまし良く無いけど、中身はカナリ綺麗な感じですよ。そういえばアタシ欧州の鍵って苦手なんですけど、ここでは何とか克服できましたよ。 部屋を開けると、そこは綺麗なヨーロピアンスタイルの部屋でした。ようやく転がれる場所に行き着いた我々は、喜びいさんで身に付けていた重苦しい装飾品や冒険道具をベッドに向ってドサドサと投げ打つのでした。
けど、まだ時刻は午前中なのです。ひと休みして、とっととヴァチカンに行ってしまおうと計画した我々は粛々と冒険装備を身に固め、ホテルのお姉さんにカギを預けるとローマの喧噪へと出掛けて行くのでした。 |
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