何だか大仕事を終えた気分で会場後方のバーの辺まで
歩いて来て、回りを見渡すとスタッフの皆様、見事な大掃除ぶりでした。
ふてきはエクトプラズムが半分口からはみ出たような気の抜け様で、
その掃除っぷりをボケ〜ッと見つめていました…。
何時の間にかふてきの右横に、
バーによく置いてあるような小さな背の高い丸テーブルがありました。
(…ふーん、カクテルでも飲りたくなってくるような…んっ?)
視線を更に右に移すと…そこにわぎゃあうぎゃあの人が突っ立ってました。
CENTINEXのコテコテなメタル兄さん、JOHAN JANSSONです。
どうやら帰り支度らしい荷物を下に置いて。
彼はナニするわけでもなく、非常に興味深げにワタシを見ているのでした。
ふてきは営業スマイルを全開にして話し掛けてみる事にしました。
『こんにちは!ライヴ見ましたよ!すっごいカッコよかった!』
するとわぎゃあうぎゃあの人は嬉しそぉーに、
しかし多少控えめに御礼の言葉を述べました。
どうも、そのナリとやってる事からは想像出来ませんが、
彼はとてもはにかみ屋さんのようです…???
彼の着ている背中にKREATORのロゴが付いてる黒いジャケットを
カッコイイデザインですねぇと誉めると、彼はトテモ得意気に自慢してました。
ふてきは調子に載ってペラペラ話し始めてしまいました(←お調子者)。
『CENTINEXのCD音源ってテクニカルでメロメロな印象あったのー。
ライヴではCDの音源と印象全然違うのねー。
めちゃアグレッシヴで…メロデスってより、むしろスラッシュ?
でもソコがすごくイイってアタシ思ったよ!』
(あーホント日本でCD音源買って聞いておいて良かったぁー/汗)
オイラの貧相なボキャブラ英語だといいたい事の半分も伝わりません、哀しひ…。
『俺はスラッシュメタルやデスメタル、ゴシックメタル等なんでも聞くんだ。
俺達の音楽にはそんな様々なメタルの要素が詰っている』
メタルを語る時のこのコテコテメタルおにいたんの表情は真剣そのもの。
調子に乗ったままの不敵はよせばイイのに
またしても余計な台詞を吐いてしまうのでした。
『そういえばCENTINEXって確か一昨年くらいに来日しませんでした?
アタシ、その告知ニュースをネットで見た憶えがあるわぁー』
するとわぎゃあうぎゃあの人は、
『あぁ、あれね…』
と一瞬傷付いた表情を見せてから、
哀しげに苦笑いをするのでした。
『キャンセルになったんだよ…』
マターΣ( ̄Д ̄lll)ヤッチャッター!?
どうもアタシにはそんな気サラサラなくても、
他人の心の傷を素でふんずける冷酷なスキルがあるようです(涙)。
『き、きっとまたチャンスがあるよ!(←無責任な台詞)
アタシ日本に帰ったらみんなにヨカッタって宣伝しとくね!』
そんなアタシのブザマな焦りっぷりに、
わぎゃあうぎゃあ兄さんは心底嬉しそうな表情で御礼を言うのでした。
記念の写真を撮る時に『え?一緒に撮らないの?』という顔をされましたが
わたし、ホント写真に撮られるのって苦手なんです…てなワケでこの2人。
見てこの笑顔…なんてイイ人なんだ…。
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年齢に負けずこれからもがんばって古豪のメタラーであり続けて下さい。
なんかあたし、尊敬に値するメタラーな心根を見た気がする。
さて、
お肌のキレイな背高ノッポ君のギタリストJOHAN AHLBERGクンですが。
彼がギターを大事そうに持って会場から出て行こうとした所を
アタシ、ハタと目が合ってしまいました。
瞬間、ふてきは一生懸命に右端で目の開けられない苦痛に耐え、
素晴らしい演奏を見せてくれた彼に率直な賞賛の念を伝えたいと思うのでした。
『こんにちは、今日のアナタのギタープレイはとっても素晴らしかったよ!』
大きな声でそう伝えると、JOHAN
AHLBERGクンは
ぱぁああっと顔を輝かせてのしのしとこちらに向って歩いて来ました…
そしてガバーッとその長い両手を広げて、ぎゅーっと
ワタシのアタマの部分を(背が高すぎてそうなるんだな)ハグしてくれたのでした。
あー。ビックリしたぁー。
食われるかと思ったぁー。
『アラ…今はSLAYERのTシャツじゃないのね…』
『あれはライヴ用なんです。今はバッグにしまってあります』
『そーなんだ?わたしアナタがSLAYERファンなのかなーと思ったのだけど』
彼はあっけらかんと言うのでした。
『それもあるけど、SLAYERって一番有名でしょう?だから…』
(RAVNといい、どうも戦闘服に使われる確率が高いバンドのようですナー)
そんな会話をしていると、屋外から彼の名前が呼ばれたようです。
ふてきはもう一度、イイモノを見せてくれてありがとう、と言って
車にメンバーと共に乗り込む彼を見送るのでした。
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