イタリア短期滞在

〜ブラックメタル祭典への記録〜

ヴィットリオは言うのだった。

『携帯電話のバッテリーが

きれてたんです』

不敵は思った。

(…ブッ殺す!)

旅行1日目

-空港から15ユーロホテルへ-

こっからが本番だと不敵は思っていた。

テキトーに入国審査を済ませて緊張の面持ちで到着ロビーへ。

途中で日本人の航空事務員に

『ココはドロボーがとても多いので気を付けて下さいね』

と一声かけられ、更に緊張しまくる。

だって、ここから日本人がどんどんいなくなっていく。

ロビーでやっとこさ椅子に座ると…とうとうもう私の見渡す何処にも、

日本人の姿は見られなくなっていた。

空港に迎えに来るはずのヴィットリオは7時頃に空港へ来るハズだった。

しかし待てど暮らせど来やしねぇ。

不敵は恐る恐る、レンタルした携帯電話を取り出した。

そして、E-mailで送られてきたヴィットリオの携帯電話番号を押す。

緊張の一瞬。

数回の呼び出し音の後、誰かが電話に出たので…

『あのー、キョウコ(我が本名)ですけど』

ナンチャッテ英語で言ってみる。

すると相手の男性はヘンなイントネーションの英語で

怒涛のごとく喋りはじめるのだった!!

つーかヘン過ぎて早すぎて口挟む暇も無くて理解出来ないッス!!

まぁ、遅れてゴメンナサイって言った事は理解出来たのだが。

不敵が何か言おうとすると、突然電話がブツリと切れてしまった。

…さて。

不敵はこの後3時間もの間、

ミラノ・マルペンサ空港内をウロウロするハメになるのだった。

空港内でウロウロしている内にわかった事。

イタリア人の大部分は英語が出来ねーっつうこった。

不敵がナンチャッテ英語で喋りかけると、ヤツラは怖がるのだ。

イタリアの英語教育はいったいどーなっとるんだ!?

疲れ果て、アライバル・ロビーで座りつつ、

購入したファンタオレンジを飲みつつ、

ふと見上げると…見るからにメタラーなTシャツのイタリア野郎が

スタコラ目の前を駆け抜けていった。

ひょっとして明日のライヴな関係者か?

そうは思ってみたモノの、疲れ果て追い掛ける気力すら無く。

(もうこちとら勝手にミラノエクスプレス乗ってミラノいっちまおーかな)

など考えつつ涼しい外に出てみた。

すっかり夜で真っ暗だったのだが…数歩歩いて呼び止められた。

『キョウコ!?』

見ると、私と同じ位の背のオジサンっぽいイタリア若者人が、

妙に目をキラキラさせてそこに立っていた。

『うわっ!ヴィットリオ!?よかったよぉー会えて!!』

我々は泣きそうな勢いで(爆笑)お互いはっしと飛びつくのであった。

ヴィットリオは車で迎えに来てくれたようだ。

駐車場で荷物を後ろに乗せようと、バカっと後ろを開いた。

『…こりゃ、酒ですか?ビールですかい?』

ソコには、凄まじい量のビール缶とナチュラルミネラルウォーターが

山々と詰め込まれていたのである!!

『そうです、明日のライヴでバンドのメンバーが飲み干す為の物です』

ヴィットリオはにこやかに答えた。

不敵はしばし、押し黙った。

(…プロモーターはコンなモンまで用意せねばならんのか…)

まさか、イタリアの高速道路を自家用車ですっとばす体験出来るなんて思わなかった。

イタリアの高速道路はガラガラだ。

運転席も走行レーンも日本と正反対なのでヘンな感じなんだよぉ。

ヴィットリオの車の中はブラックメタルのCDがてんこもりだった。

しかし我々は初めてであったのでブラックメタルを聴くよりも、

雑談をする事で夢中なのであった。

なんでも、彼はアイアンメイデンはメタルじゃねぇと思っているらしい。

シンフォニーエックスが嫌いらしい。

MAYHEMのライヴでマトモにプレイしているのはHELLHAMMER

ただ1人だけだという話とか(ギターがバラバラなんだそーな)。

いきなり彼の携帯電話がブッツリ切れたのは電源が切れたからだとか。

(フルに充電しておけよコノヤロー!!)

一瞬、不敵は笑顔の裏に殺気をみなぎらせるのであった。

1時間半程ハイウェイをふっとばし、

我々は田舎道のとあるホテルに辿り着いたのであった。

はたして、そこは『メタルホテル』なのであった…。

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